Gray山荘
所 在 地 長沼町
主要用途 住宅
構造規模 木造 2階建て
建築面積 48.64m²
延べ面積 48.64m²
低空で、千歳へ向かう飛行機の窓までよく見えるくらい、空が近く感じられる敷地である。飛行機の窓の話から銀河鉄道の夜へと話が転がり、遠い記憶の中にジョバンニの夢がうっすらと蘇った。その時のイメージがそのまま形になり、なんのためらいも無く一番高い所に建っている。形は普通の片流れ、しかし雪が少ない事も幸いして、長手の片流れ屋根が空へ向かう形を作っている。
内部空間はひとつ。巾1.5間奥行6.5間、水廻りだけを囲っている。食卓からは近くの木々と風にあしらわれる草花を、ロフトからは少し上向きかげんの開口を通して遠い山並みと空を、高見に立って見下ろすより、気の遠くなる夜空を見上げる幸せを感じてもらいたかった。夜、空を見ながら孫達は宮崎アニメの世界へ、親は銀河鉄道999、じいちゃんとばあちゃんは賢治の世界へ、それぞれのイメージは違っても星空には共通のロマンがある。